スノーボードの外向傾ポジションから紐を解く!乗馬の騎乗姿勢編

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スノーボードの外向傾ポジションから紐を解く!乗馬の騎乗姿勢編

コアギア理論
2025年7月22日

「身体重心のコントロールが上達の近道」
異なるスポーツではあるが同じことを示唆しているのではないか?
スノーボードの外向傾姿勢と乗馬の人馬の内方姿勢は、同じ体幹の使い方を意味しているのではないか?
紐解いてみます!

外向傾とは

外向傾とは、簡単説明すると外向と外傾の二つの意味が合わさった造語です。
まず、外向とは写真のスノーボード選手が、斜面を滑走している方向(左ターン)に対して、骨盤と胸郭が外(反対の右)を向くというのが一つ。
そして、外傾斜とは板の垂直軸に対して胸郭が外に傾くというのが一つ。
上記の体幹の屈曲や回旋及び側屈といった3面3軸を上手く使い、人間のもつパワーポジションを確保して、遠心力や重力加速度に対して、地面反力を受けバランス良く滑走している状態です。

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動作分析方法

人馬の内方姿勢を説明する前に、動作の分析方法と、この論説の体幹定義を示します。
分析方法として、以下3点を定義します。

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1. どのフェイズなのかを明確にする

ここでは動作のタイミングとテンポ認識をします。
ゴルフを参考にして、フェイズ(場面)分けします。
P1~P10 初動からフィニッシュまで。
参考までに、P4(切り返し)~P7(ボールインパクト)の時間は0.2秒、陸上の100mのフライング判定が0.1秒となります。

2. どの部位なのかを明確にする

体幹を4つに分類します。
① 上肢帯(鎖骨と肩甲骨)
② 胸郭(肋骨24本と胸椎12個と胸骨)
③ 腰椎5個
④ 骨盤(腸骨2個と仙骨)
重要ポイントとして、①上肢帯と②胸郭は分離して動いているということです。
一般的には、両肩関節から両股関節が体幹として1つのユニットとして捉えているが多いです。
(例えば、表現として体幹・肩・肩甲骨・胸・腰・背中など)

3. どの方向なのかを明確にする

人の身体は、3次元的(3面)に動きます。
① 矢状面(しじょうめん)(ピッチング):地面と垂直な面で、身体を右と左に分ける面です。
② 前額面(ぜんがくめん)(ローリング):地面と垂直な面で、身体を前と後ろに分ける面です。
③ 水平面(すいへいめん)(ヨーイング):地面と水平な面で、身体を上下に分ける面です。

乗馬の基礎知識

完歩(かんぽ)とは、馬の4本脚が1回転するサイクルのことを言います。
歩様(ほよう)とは、馬の足の運びをいい、おもに以下3つに分類します。

常歩(なみあし)

外後肢⇒外前肢⇒内後肢⇒内前肢

速歩(はやあし)

外後肢+内前肢⇒内後肢+内前肢

駈歩(かけあし)

外後肢⇒内後肢+外前肢⇒内前肢

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乗馬の駈歩フェイズ分け

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フェイズA
'タ'カタン=外後肢

フェイズB
タ'カ'タン=内後肢+外前肢

フェイズC
タカ'タ'ン=内前肢

フェイズD
タカタ'ン'=四肢空中に遊脚(サスペンション期)

上肢・体幹・下肢の運動する部位

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運動学の3面と基本の運動方向

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① 矢状面(しじょうめん)(ピッチング):地面と垂直な面で、身体を右と左に分ける面です。

「屈曲」:曲げる
「伸展」:伸ばす

② 前額面(ぜんがくめん)(ローリング):地面と垂直な面で、身体を前と後ろに分ける面です。

「外転」:身体の外側へ開く
「内転」:身体の内側へ閉じる
「側屈」:身体を左右に傾ける

③ 水平面(すいへいめん)(ヨーイング):地面と水平な面で、身体を上下に分ける面です。

「内旋」:内側へ捻る
「外旋」:外側へ捻る
「回旋」:身体を左右に捻る

人馬の内方姿勢:人の外向姿勢

外向姿勢:水平面上の動きで、馬の進行方向に対して、胸郭が外を向く姿勢となります。

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人馬の内方姿勢:人の外傾姿勢

外傾姿勢:前額面上の動きで、馬の垂直軸に対して、人間の胸郭の垂直軸が外に傾く姿勢となります。
馬体はカーブの遠心力に対して、地面反力でバランスを保ち、人間は自身の体幹の外向傾でバランスを保っています。

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人馬の内方姿勢:馬の内方姿勢

馬の内方姿勢:馬が弓なり湾曲する姿勢を指します。
真直性が保たれて、馬体が輪線上に沿って湾曲して安定して走行できます。また、後肢の蹄が前肢の蹄の跡を通っていきます。

結論

スキー・スノーボードの教本にある外向傾と、乗馬の内方姿勢はどちらも人間の身体重心コントロールを目的とした体幹の使い方を指導しており、運動力学的には重心をコントロールする手段です。
そして、どちらも人間の発揮できるパワーポジションを指しています。
外向傾と内方姿勢は、どちらも安定した回転性と最大限出力を発揮する基本的な姿勢と結論づけます。
我々フィジカルトレーナー・解析アナリストは、方向の安定性と出力の発揮できる基本姿勢ができるトレーニングを提案し続けていくことが求められます。

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